2017/06/21

源泉所得税の具体的事例 3

今週も引き続き源泉所得税の具体的事例について解説します。


Q - 非課税所得とされる学資金
平成28年度税制改正で、非課税所得とされる学資金の摘要範囲について改正されたと聞きました。具体的に、どのような改正が行われたのでしょうか?

A-
1.従前の規定

 所得税法第9条(非課税所得)第1項第15号において、「学資に充てるため給付される金品(学資金)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品(民法に基づく扶養料)については、非課税とする」旨が定められています。
  ただし、「給与その他対価の性質を有する学資金は、非課税とせず課税する」こととし、非課税と   される学資金の範囲から除外され、課税対象となっていました。

2.改正の概要

 学資に充てるため給付される金品(以下「学資金」といいます。)については、学術奨励の観点から、従前より非課税とされています。ただし、給与をはじめとして対価の性質を有するものは「非課税とされる学資金の範囲」から除外され、従前から課税の対象とされていました

 平成28年度税制改正では「非課税とされる学資金の範囲」が改正され、平成28年4月1日以後に給与所得者が使用者から受けるもので、通常の給与に加算して受ける学資金が新たに非課税とされることとなりました。

2017/06/14

源泉所得税の具体的事例 2


今週も引き続き源泉所得税の具体的事例について解説します。

Q - 学校法人の教員が他の団体から研究助成金を受け取った場合の課税関係

    当学園の教員は、外部の公益財団法人が公募する研究助成に応募し、審査の結果、助成金
  の交付を受けることとなりました。この助成金を受け取った場合には、所得税は非課税とされる
  のでしょうか?あるいは課税されるのでしょうか?

    また、課税される場合には、源泉所得税が徴収されるのでしょうか?あるいは、自ら税務署
   へ確定申告書を提出する必要があるのでしょうか?
A -
1.学術奨励金に関する所得税の課税の有無
 
    教員や学生が行う学術に関する研究を奨励する目的で交付される学術奨励金については、
  所得税法第9条(非課税所得)に規定されているものは非課税となりますが、この規定に該当し
  ないものは課税の対象となります。 

2017/06/07

源泉所得税の具体的事例 1


 6月の学校会計のチカラは、源泉所得税と固定資産税について解説します。まずは今週から3回にわたり、学校法人で想定される源泉所得税の具体的事例をご紹介します。少しでも皆様の実務に役立てば幸いです。


- 教職員等の発明・考案に対して支給する報償金

 当学園では、教職員が職務上有益な発明・考案等を行った場合には、学園規程により、当学園の資金、施設又は設備等を用いて行った職務発明に関する特許等を受ける権利及びこれに基づき取得された特許権等は、原則として学園に帰属(発明・考案者から学園が権利を承継)することとしています。 

 しかし、その発明・考案者に報償金等を支払う制度はありません。そこで、今後は職務上の発明・考案等に対する報償金制度を設けて、金銭を支給することを検討しています。この場合に、課税の問題は生じるのでしょうか?

 A- 

1.課税関係の概要

 所得税基本通達23~35共-1(使用人等の発明等に係る報償金等)では、業務上有益な発明、考案等をした役員又は使用人が使用者から支払いを受ける報償金、表彰金、賞金等に関する税務上の取扱いを明らかにしています。
 

2017/05/31

法人税 4

 今週は確定申告について及び確定申告書を提出しなかった場合、提出が遅れた場合等の取扱いを解説いたします。

(1)確定申告
    株式会社のように営利を目的として設立された法人は全ての所得に対して法人税が課税され
   ますが、学校法人のように公益を目的として設立された公益法人等については収益事業を行う
   場合に対してのみ法人税が課税されます。
  収益事業を行う学校法人等は、事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内に確定申告をすると
 ともに、法人税を納付しなければなりません。
     なお、法人税の税率は収益事業に係る所得に対し次の通りとなります。
   28年4月1日以後開始事業年度・・・19%(年800万円以下の所得金額については15%)
   29年4月1日以後開始事業年度・・・19%
    確定申告書の提出に当たっては、収益事業に関する貸借対照表や損益計算書等だけでなく、
   収益事業以外の事業に関する決算書も添付する必要があります。

2017/05/24

法人税 3

  今週は個別的収益事業及び学校法人等が新たに収益事業を開始した場合の届出書類につい
  て解説いたします。

(1)不動産貸付業
   学校法人等の行う不動産貸付業のうち、次のもの以外の不動産貸付が収益事業の対象とさ
   れます。
  ①国または地方公共団体に対し直接貸付けられる不動産の貸付業
  ②主として住宅の用に供される土地の貸付業で、その貸付の対価が低廉であることの他、財
   務省令で定める要件を満たすもの
  ③特定法人、日本勤労者住宅協会、社会福祉法人、民間都市開発機構、独立行政法人農
   業者年金基金、食品流通構造改善促進機構、商工会等、独立行政法人中小企業基盤整
   備機構が行う特定の不動産貸付業及び宗教法人又は公益社団法人もしくは公益財団法
   人が行う墳墓地の貸付業
    また、不動産貸付業には、単に土地や建物を貸すことの他に、店舗の一画を他の者に継
   続的に使用させるいわゆる「ケース貸し」及び広告等のために建物の屋上、壁面等を貸し
   付ける行為も含まれます。(法基通15-1-17)

2017/05/17

法人税 2

今週も引き続き個別的収益事業について解説いたします。

(1)物品貸付業
  学校法人等の収益事業に該当する物品貸付業には、通常の物品のほか、動物や植物の貸付業も含まれます。
物品の貸付けは、他の業種に付随して行われる場合には、物品貸付けに対する料金を収受していても物品貸付業には該当せず、たとえば、旅館におけるテレビ、麻雀等の遊具の貸付けは旅館業に含まれ、遊園地における貸ボート等は遊技所業に含まれます。(法基通15-1-16)

2017/05/10

法人税 1

 5月からは4回にわたって法人税について解説いたします。
 昨年5月も法人税について解説しておりますが、前回触れられなかったところを中心に述べたい
 と思います。
 まずは、個別的収益事業について解説いたします。

(1)請負業
   請負業のうち、次に掲げるもの以外のものが収益事業となります。 
  ① 法令の規定に基づき国又は地方公共団体の事務処理を委託された法人の行うその委託
    に係るもので、その委託の対価がその事務処理のために必要な費用を超えないことが法令
    の規定により明らかなことその他財務省令で定める要件を備えるもの
  ② 土地改良事業団体連合会、特定法人が行う特定の請負業

  ③ 私立学校法第3条に規定する学校法人がその設置している大学に対する他の者の委託を
    受けて行う研究に係るもの(当該研究に係る実施期間が3月以上のもので、その委託に係
    る契約又は協定において当該研究の成果の帰属及び公表に関する事項が定められている
    ものに限る)

 請負業には、建築の請負等のほか事務処理の委託を受ける業を含むとされていますので、その範囲は広く、ほかの者の委託に基づいて行う調査、研究、情報の収集及び提供、手形交換、為替業務、検査、検定等が含まれます。
 これらの請負業には、前記の①~③に該当するものを除き、国又は地方公共団体から委託を受けたものも含まれます。(法基通15-1-27)