2017/05/24

法人税 3

  今週は個別的収益事業及び学校法人等が新たに収益事業を開始した場合の届出書類につい
  て解説いたします。

(1)不動産貸付業
   学校法人等の行う不動産貸付業のうち、次のもの以外の不動産貸付が収益事業の対象とさ
   れます。
  ①国または地方公共団体に対し直接貸付けられる不動産の貸付業
  ②主として住宅の用に供される土地の貸付業で、その貸付の対価が低廉であることの他、財
   務省令で定める要件を満たすもの
  ③特定法人、日本勤労者住宅協会、社会福祉法人、民間都市開発機構、独立行政法人農
   業者年金基金、食品流通構造改善促進機構、商工会等、独立行政法人中小企業基盤整
   備機構が行う特定の不動産貸付業及び宗教法人又は公益社団法人もしくは公益財団法
   人が行う墳墓地の貸付業
    また、不動産貸付業には、単に土地や建物を貸すことの他に、店舗の一画を他の者に継
   続的に使用させるいわゆる「ケース貸し」及び広告等のために建物の屋上、壁面等を貸し
   付ける行為も含まれます。(法基通15-1-17)

2017/05/17

法人税 2

今週も引き続き個別的収益事業について解説いたします。

(1)物品貸付業
  学校法人等の収益事業に該当する物品貸付業には、通常の物品のほか、動物や植物の貸付業も含まれます。
物品の貸付けは、他の業種に付随して行われる場合には、物品貸付けに対する料金を収受していても物品貸付業には該当せず、たとえば、旅館におけるテレビ、麻雀等の遊具の貸付けは旅館業に含まれ、遊園地における貸ボート等は遊技所業に含まれます。(法基通15-1-16)

2017/05/10

法人税 1

 5月からは4回にわたって法人税について解説いたします。
 昨年5月も法人税について解説しておりますが、前回触れられなかったところを中心に述べたい
 と思います。
 まずは、個別的収益事業について解説いたします。

(1)請負業
   請負業のうち、次に掲げるもの以外のものが収益事業となります。 
  ① 法令の規定に基づき国又は地方公共団体の事務処理を委託された法人の行うその委託
    に係るもので、その委託の対価がその事務処理のために必要な費用を超えないことが法令
    の規定により明らかなことその他財務省令で定める要件を備えるもの
  ② 土地改良事業団体連合会、特定法人が行う特定の請負業

  ③ 私立学校法第3条に規定する学校法人がその設置している大学に対する他の者の委託を
    受けて行う研究に係るもの(当該研究に係る実施期間が3月以上のもので、その委託に係
    る契約又は協定において当該研究の成果の帰属及び公表に関する事項が定められている
    ものに限る)

 請負業には、建築の請負等のほか事務処理の委託を受ける業を含むとされていますので、その範囲は広く、ほかの者の委託に基づいて行う調査、研究、情報の収集及び提供、手形交換、為替業務、検査、検定等が含まれます。
 これらの請負業には、前記の①~③に該当するものを除き、国又は地方公共団体から委託を受けたものも含まれます。(法基通15-1-27)

2017/04/26

国等の特例のポイント 2

 今週も引き続き国、地方公共団体等に対する仕入税額控除の特例のポイントです。

1.仕入れに係る消費税額の計算方法
 ほとんどの学校法人の課税売上割合は95%未満となります。この場合、原則課税制度においては仕入れに係る消費税額を、「個別対応方式」か「一括比例配分方式」により計算することになります。

「仕入れに係る消費税額」
= 「調整前の仕入れに係る消費税額」 - 「特例の適用を受けた仕入れに係る消費税額」

2017/04/19

国等の特例のポイント 1

 前回までは、簡易課税制度のポイントを取り挙げました。今回からは、原則課税制度を採用している学校法人にとって1番のポイント、いわゆる国等の特例、すなわち「国、地方公共団体等に対する仕入税額控除の特例」を取り挙げます。


1.国、地方公共団体等に対する仕入税額控除の特例

 学校法人は、「等」の部分に含まれます。原則課税制度を採用しているほとんどの学校法人に、この特例が適用されます。特例が適用されますと、仕入れに係る消費税額が減りますので、結果として納付すべき税額が増えることになります。学校法人にとっては嬉しくない特例です。

2017/04/12

簡易課税制度のポイント 2

 前回に引き続き、消費税の簡易課税制度を取り挙げます。今回は、学校法人における簡易課税の具体的な事業区分にスポットを当てて説明していきます。

1.簡易課税制度における事業区分とみなし仕入率

 あらためて事業区分とみなし仕入率をまとめますと、以下のとおりです。


事業区分
みなし仕入率
該当する事業
第一種事業
90%
卸 売 業
第二種事業
80%
小 売 業
第三種事業
70%
農業、林業、漁業、製造業など
第四種事業
60%
飲食店業、固定資産の売却など
第五種事業
50%
サ ー ビ ス 業 な ど
第六種事業
40%
不 動 産 業

2017/04/05

簡易課税制度のポイント 1

 このブログを読まれている学校法人の多くは、いわゆる簡易課税制度を採用して消費税の申告を行っているのではないかと思います。この簡易課税制度については、平成26年度の税制改正でみなし仕入率の見直しがなされ、平成27年度より新しい制度が学校法人に適用されることとなりました。
 そこで、今月の学校会計のチカラでは、2回にわたりこの簡易課税制度を取り挙げたいと思います。

1.簡易課税制度とは

 簡易課税制度は消費税の計算方法の一つですが、消費税法の条文のどこを探しても「簡易課税制度」という文言を見つけることはできません。冒頭で「いわゆる簡易課税制度」と述べたのはそのためです。条文上は、「中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例」(消費税法第37条)と定められています。
 消費税では、「課税標準額に対する消費税額」(要は預かった消費税額)から「仕入れに係る消費税額」(要は支払った消費税額)を控除して計算します。