2016/08/24

基本金について 4

 前回は、第1号基本金について、その概要を解説しました。第1号基本金は、他の基本金に比べ論点も多く、1回で完全に理解することは難しい科目ではありますが、まずは要組入高や組入高、未組入高など大まかな概念をご理解頂けたのではないでしょうか。今週は第2号基本金について解説します。第2号基本金は、第1号基本金の先行組入れとして、第1号基本金と密接に関連していますので、第1号基本金の組入高とあわせて理解することが重要です。なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りしておきます。

 第2号基本金の組入れ対象資産は、学校法人会計基準(以下、基準といいます。)第30条第1項第2号に以下のとおり定められています。

2016/08/17

基本金について 3

 前回までは基本金の全体像を理解して頂くために、2回にわたって基本金の概要と意義について解説しました。基本金制度は、学校法人がそれぞれの建学の精神にのっとって、教育研究活動を行うために必要な資産を継続的に保有し、維持し続けることを担保するために重要な制度です。   
 基本金に組み入れられる金額は、学校法人会計基準(以下、基準といいます。)第30条第1項第1号から第4号までに定められていますが、これを一般に基本金対象資産と呼んでいます。また、基準第30条第1項第1号の規定によって組み入れられた基本金を第1号基本金といい、以下同様に第2号基本金、第3号基本金、第4号基本金といいます。基本金は、基本金組入対象資産の額を会計上で組み入れたものに過ぎず、私立学校法施行規則における基本財産と異なり、資産自体を指すものではありません。いわば、基本金に組み入れられた金額は、学校法人が最低限保有していなければならない財産の額を示しているといえるでしょう。

2016/08/10

基本金について 2

 先週は学校法人会計における基本金について、企業会計の資本金や社会福祉法人会計の基本金と比較しながら、その概要を解説しました。今週は、学校法人会計における基本金について、その意義について解説しましょう。なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りしておきます。

 学校法人会計における基本金は、以下のとおり、学校法人会計基準(以下、「基準」といいます。)第29条に規定されていることは先週説明しました。

第29条 学校法人が、その諸活動の計画に基づき必要な資産を継続的に保持するために維持すべきものとして、その事業活動収入のうちから組み入れた金額を基本金とする。

2016/08/03

基本金について 1

 今月から2か月にわたり基本金について解説します。基本金は、学校法人会計において最も特徴的な科目であり、また、最も理解しづらい科目でもあります。今回は、この難解と言われる基本金について、平易に、かつ、多くの方々が疑問に思っている点に対する回答を含めて、全9回にわたって解説したいと思います。なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りしておきます。

2016/07/27

退職給与引当金の計算4

 前回は都道府県別の私学退職金団体と私大退職金財団における具体的な退職給与引当金の計上方法及び交付金等の会計処理と表示について解説しました。本項最終回となる今回は、積立方式を採用する私学退職金団体と比較して計算過程が複雑な私大退職金財団に加入している場合の計算方法について、具体的な計算設例を用いて解説します。また退職給与引当金の算定方法の注記についても解説します。


1.学校法人が私大退職金財団に加入している場合の計算設例 私大退職金財団に加入し、従来、退職給与引当金をいわゆる 50%基準により計上し、変更時差異 5,000 は経過措置により10年間で毎年度均等額を繰り入れるものとします。平成22年度末の期末要支給額を10,000、退職給与引当金の残高を 4,900(10,000×50%-(掛金累積額 200-交付金累積額100))とした場合の退職給与引当金(特別)繰入額又は退職給与引当金戻入額の計算例は以下のとおりです。

2016/07/20

退職給与引当金の計算3

 前回は都道府県別の私学退職金団体と私大退職金財団の退職給与引当金の算定方法について比較しながら解説しました。今回はそれぞれの団体における具体的な退職給与引当金の計上方法及び交付金等の会計処理と表示について解説します。

1.私学退職金団体における退職給与引当金の計上方法及び交付金等の会計処理と表示

(1) 会計処理の統一
 学校法人の退職給与引当金の計上基準については、加入している退職金団体にかかわらず、平成23年2月17日付けの文科省第11号通知(「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について(通知)」,22高私参第11号 「以下「第11号通知」)の発出により会計処理の統一化が図られています。すなわち、第11号通知では、私大退職金財団又は私学退職金団体に加入している学校法人は、退職給与規程等に基づいて算出した退職金の期末要支給額の100%を退職給与引当金として計上することとされています。

2016/07/13

退職給与引当金の計算 2

 前回では、退職給与引当金の必要性、計上方法、学校法人が加入する退職金団体の制度などについて解説しました。今回は都道府県別の私学退職金団体と私大退職金財団の退職給与引当金の算定方法について比較しながら解説します。


1.都道府県別の私学退職金団体に加入している場合の退職給与引当金
 私学退職金団体に加入している知事所轄学校の教職員に係る退職給与引当金の計算については、学校法人が規定する退職給与規程等に基づいて算出した退職金の期末要支給額の100%を基にして計算した額から、各私学退職金団体から交付される額を控除した金額を退職給与引当金として計上する計算方法が採用されています。