2015/10/28

付随事業・収益事業収入について 4

今回は付随事業と収益事業の扱いの違いを中心に解説します。


1.付随事業と収益事業の扱いについて
 学校法人は、本来事業である教育研究活動のほか、学校教育の一部に付随して行われる事業(以下、「付随事業」という。)及び収益事業を行うことができるとされています。ただ、学校法人は教育研究活動を主たる目的として設立された法人ですから、その適切な運営を確保していく観点から、本来事業である教育研究活動以外の事業については、一定の範囲内で行っていくことがふさわしいと考えられます。
 一方、近年、学校法人においては、様々な性質、種類、規模の付随事業や収益事業を行う例が見受けられるようになってきているため、私立学校法第26条に基づく収益事業告示(平成20年文部科学省告示第141号)の運用にあたっての具体的な指針として、平成21年2月26日付けで、「文部科学大臣所轄学校法人が行う付随事業と収益事業の扱いについて(通知)」が発出されました。当該通知には、付随事業の範囲が明示されておりますので、以下「2.付随事業について」においてその要約を記載します。

2015/10/21

付随事業・収益事業収入について 3

 今回は、「付随事業・収益事業収入」のうち、受託事業収入に関する取扱いの留意点について解説します。


1.受託事業収入とは
 受託事業収入とは、「仕事の完成を約し、依頼者が仕事の完成に対し、その対価として支払い、依頼された者が受け入れた収入」です。
 例えば、学校法人が自動車メーカーから委託を受けて、工学部などで電動自動車の研究を行い、その研究費を受け取る場合は、この受け取った収入は「受託事業収入」として会計処理します。
 学校法人で見られる受託事業は、学校法人本来の目的である教育研究活動の一環として行われることが多く、その内容としては調査、研究、検査、情報の収集などが一般的に考えられますが、学校法人の収入が受託事業収入に該当するかどうかの判断は、その実態に基づいて行うことになります。

2015/10/14

付随事業・収益事業収入について 2

前回、補助活動収入の会計処理及び表示について解説しました。
今回は具体的な数値例を用いて補助活動の経理処理を確認してみましょう。


1.計算設例
  A高校における売店の事業(28年4月1日より29年3月31日)は次のとおりです。
  (1) 売 上 高    21,000千円
  (2) 販売用品    期首商品有高 1,200千円   当期商品仕入高   15,450千円
               期末商品有高 2,500千円
  (3) 売店の経費   ①人件費
                   給  料              2,400千円
                   退職給与引当金繰入額    300千円
                ②水道光熱費             400千円
                ③通 信 費              250千円
                ④減価償却費             200千円
  (4)期末の仕入代未払額     6,000千円


2015/10/07

付随事業・収益事業収入について 1

1.平成25年改正基準における変更点

 従来、教育研究事業に付随して行われる補助活動事業などは、資金収支計算書上の大科目「事業収入」に計上されていましたが、平成25年の学校法人会計基準の改正により、この大科目の名称は、「付随事業・収益事業収入」に変更されました。
 このように大科目において二つの事業を分けて表示することとされた理由は、収益を目的とせず学校教育の一環として又はこれに付随して行われる補助活動事業などの「付随事業」と、私立学校法第26条に定める収益事業、すなわち、寄附行為にその事業の種類などに関する規定を設け、かつ所轄庁の認可を受けた上で、学校法人の一般会計から区分し特別の会計として経理される「収益事業」とでは、その性質・内容が異なるということが主に挙げられます。
 なお、たとえ寄附行為上の収益事業を行っていないという場合であっても、大科目の記載は省略できないので、「付随事業・収益事業収入」として表示します。
 ここで、「付随事業・収益事業収入」に計上される主な小科目とその内容を以下に示します。