2016/03/30

教育研究経費と管理経費のポイント(5)と決算留意事項

 3月最後の学校会計のチカラは、教育研究経費と管理経費の区分と稟議決済の重要性に加えて、決算留意事項について一部検討したいと思います。

1.資産と経費の区分
 教育研究経費と管理経費の区分に関連して、机・椅子・パソコンなどの備品を購入した場合、「教育研究用機器備品支出」と「管理用機器備品支出」の区分を検討する必要があります。また、設備関係支出(固定資産)として計上するのか、消耗品費等(経費)として計上するのか検討する必要があります。これについては、学校法人会計基準で具体的に規定していませんが、一般的には1個又は1組の価額○万円以上(金額基準)と使用可能年数1年以上のものを資産とし、この基準以下のものは、経費処理を行うと経理規程等に定めている学校法人が多いと思います。ここで問題となるのが金額基準です。いくらが妥当であるのか判断が難しいですが、学校法人の規模や目的に応じて適切な基準で意思決定することが望ましいです。一般的には、5千円、1万円、3万円、5万円、10万円等さまざまな事例があり、総合大学など規模の大きい学校法人では10万円~20万円基準が多いと思われます。現行の法人税法では10万円基準です。

2016/03/23

教育研究経費と管理経費のポイント(4)


 今週の学校会計のチカラは、先週に引き続き教育研究経費と管理経費の区分に関する個別の処理について考えていきます。


1.自己点検・自己評価及び認証評価に係る経費
 認証評価は、国公私の全ての大学、短期大学、高等専門学校が文部科学大臣の認証を受けた評価機関による評価を定期的に受ける制度をいい、平成16年から開始されています。この制度の目的は、①大学等の質を保証する、②評価結果が公表されることにより、大学等が社会による評価を受ける、③評価結果を踏まえて大学等が自ら改善を図ることにあります。

2016/03/16

教育研究経費と管理経費のポイント(3)

 3月の学校会計のチカラは、教育研究経費と管理経費について検討していますが、先週までは、教育研究経費と管理経費の区分の考え方や重要な通知である雑管第118号の解説が中心でした。今週と来週は、教育研究経費と管理経費の区分に関する個別の処理方法について考えていきます。

1.科目設定上の留意点
 教育研究経費と管理経費は、支出の形態別に科目を設定します(学校法人会計基準別表第一注2)。ただし、特定の目的を有する科目については、その科目を小科目として表示して、形態別分類を細分科目とする方法もあります。
 例えば、創立記念事業に関する支出の場合、以下の記載方法が考えられます。

2016/03/09

教育研究経費と管理経費のポイント(2)

 3月の第2週目は、先週に続いて教育研究経費と管理経費の区分について考えていきます。今週は実務上、重要な通知である雑管第118号を検討しています。


1.教育研究経費の範囲
 先週の学校会計のチカラでは、学校法人会計基準上、教育研究経費と管理経費に区分することの必要性についてふれていますが、この区分については、従来から教育研究経費に含めるものの範囲を①広く解釈する、②狭く解釈する、2説がありました。①の広く解釈する根拠は、学校法人は教育研究活動を目的として設立された組織であるため、学校法人で発生する全ての経費は教育研究のための支出であるとの考え方によります。ただし、管理経費の区分が示されていることを考慮すると、例えば学校法人の間接部門、学校法人本部等に関係する経費は教育研究経費とせずに管理経費に区分すると考えています。
 これに対して、②狭く解釈する根拠は、学校法人で発生する経費は教育研究活動を目的とした支出であるが、あえて経費区分を2つ規定しているのは、教育研究活動と直接関係する支出は教育研究経費に区分すべきであるが、そうではない支出は教育研究経費に含めずに管理経費に区分すべきであるとの考え方によります。

2016/03/02

教育研究経費と管理経費のポイント(1)

 3月の学校会計のチカラは、教育研究経費と管理経費について考えていきます。第1週目は、教育研究経費と管理経費の区分の意義を検討しています。


1.学校法人会計基準の規定
 経費に関する学校法人会計基準の規定は、第10条で「資金収支計算書に記載する科目は、別表第一のとおりとする。」、第19条で「事業活動収支計算書に記載する科目は、別表第二のとおりとする。」と明記されています。以下、経費に関する大科目「教育研究経費(支出)」と「管理経費(支出)」を抜粋します。