2016/07/27

退職給与引当金の計算4

 前回は都道府県別の私学退職金団体と私大退職金財団における具体的な退職給与引当金の計上方法及び交付金等の会計処理と表示について解説しました。本項最終回となる今回は、積立方式を採用する私学退職金団体と比較して計算過程が複雑な私大退職金財団に加入している場合の計算方法について、具体的な計算設例を用いて解説します。また退職給与引当金の算定方法の注記についても解説します。


1.学校法人が私大退職金財団に加入している場合の計算設例 私大退職金財団に加入し、従来、退職給与引当金をいわゆる 50%基準により計上し、変更時差異 5,000 は経過措置により10年間で毎年度均等額を繰り入れるものとします。平成22年度末の期末要支給額を10,000、退職給与引当金の残高を 4,900(10,000×50%-(掛金累積額 200-交付金累積額100))とした場合の退職給与引当金(特別)繰入額又は退職給与引当金戻入額の計算例は以下のとおりです。

2016/07/20

退職給与引当金の計算3

 前回は都道府県別の私学退職金団体と私大退職金財団の退職給与引当金の算定方法について比較しながら解説しました。今回はそれぞれの団体における具体的な退職給与引当金の計上方法及び交付金等の会計処理と表示について解説します。

1.私学退職金団体における退職給与引当金の計上方法及び交付金等の会計処理と表示

(1) 会計処理の統一
 学校法人の退職給与引当金の計上基準については、加入している退職金団体にかかわらず、平成23年2月17日付けの文科省第11号通知(「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について(通知)」,22高私参第11号 「以下「第11号通知」)の発出により会計処理の統一化が図られています。すなわち、第11号通知では、私大退職金財団又は私学退職金団体に加入している学校法人は、退職給与規程等に基づいて算出した退職金の期末要支給額の100%を退職給与引当金として計上することとされています。

2016/07/13

退職給与引当金の計算 2

 前回では、退職給与引当金の必要性、計上方法、学校法人が加入する退職金団体の制度などについて解説しました。今回は都道府県別の私学退職金団体と私大退職金財団の退職給与引当金の算定方法について比較しながら解説します。


1.都道府県別の私学退職金団体に加入している場合の退職給与引当金
 私学退職金団体に加入している知事所轄学校の教職員に係る退職給与引当金の計算については、学校法人が規定する退職給与規程等に基づいて算出した退職金の期末要支給額の100%を基にして計算した額から、各私学退職金団体から交付される額を控除した金額を退職給与引当金として計上する計算方法が採用されています。

2016/07/06

退職給与引当金の計算 1

 先週までは学校法人に関わる様々な税務について解説してきました。今週からは4回に分けて、退職給与引当金の計算について解説していきます。


1.退職給与引当金はなぜ必要なのか

 教職員が退職した場合には、通常退職金が支払われます。退職金は、一般的に就業規則などにおいて退職金の規定を設けた場合は、賃金の一部とみなされ、その支払が学校法人に義務付けられます。このことから、退職金は賃金の後払いであると言われており、就業規則の変更などにより退職金の将来支給額の減額が生じるような場合には、不利益変更とみなされ、よほどの合理的な理由がなければ、その変更が認められることはないと言われています。
 また退職金の額は、通常勤務年数に応じて毎年累積していきます。したがって、学校会計の側面から見れば、その支払の原因は、教職員の勤務する各年度に生じているものと考えて、支払に先立って、あらかじめ毎年度その負担額を事業活動支出(退職給与引当金繰入額)として計上し、負債として認識することが必要となります。すなわち、実際の退職金に係る資金支出は教職員の退職時となりますが、事業活動収支計算においては発生主義に基づく期間計算が必要となるため、退職金を一定の方法により退職時までにわたって期間按分することとなります。この期間按分された累積額が退職給与引当金として貸借対照表上負債の部に計上されるのです。