2016/11/30

事業報告書について 4

 11月の最終週は事業報告書を含む財務情報の公開について解説していきます。

Ⅰ.財務情報の公開
 学校法人は、その公共的・公益的な性格から補助金の交付や税制上の優遇措置を受けており、広く社会に対してアカウンタビリティを果たす観点から、財務情報を公開することが求められています。私立学校法では、学校法人は財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書、及び監事の監査報告書を各事務所に備え置き、利害関係者から閲覧請求がされたときには、正当な理由がある場合を除き、閲覧に供するものとされています(私立学校法第47条第2項)。
 平成16年の私立学校法の改正においては、補助金の交付の有無や規模の大小にかかわらず、すべての学校法人に財務情報を公開することが義務付けられました。

2016/11/16

事業報告書について 3

 今週は事業報告書の財務の概要に記載する財務比率についてのお話しです。 

Ⅰ.平成25年の学校法人会計基準の改正に伴う変更点
 平成25年の学校法人会計基準の改正により、学校法人が作成する計算書類の内容や表示項目などが変更され、これまで学校経営の財務分析に使用されていた財務比率も改正後の会計基準に対応したものに変更されました。以下では、日本私立学校振興・共済事業団が公表している「学校法人会計基準改正に対応した新たな財務比率等について」を参考にして、学校経営における財務比率の扱いについて解説していきます。

2016/11/09

事業報告書について 2

 今週も事業報告書について解説していきます。平成25年の学校法人会計基準の改正により計算書類の注記内容が拡充されましたが、合わせて事業報告書の記載内容も追加されています。

Ⅰ.平成25年の会計基準改正後の事業報告書
 平成25年に学校法人会計基準が改正され、学校法人が作成する財務諸表や収支計算書の項目が変更され、活動区分資金収支計算書が新設されました。また、計算書類の末尾に記載する注記の内容が拡大・充実化し、学校法人の継続性を担保するため第4号基本金に相当する資産の有無や、学校法人間の取引の注記が追加されました。
 以下では、日本公認会計士協会が公表している「学校法人における事業報告書の記載例について」(学校法人委員会研究報告第12号)をもとにして、改正後の会計基準に基づいて事業報告書を作成するときの留意点や記載内容の変更点についてみていきます。

2016/11/02

事業報告書について 1

 11月は学校法人が作成する事業報告書をとりあげます。平成25年の学校法人会計基準の改正により、事業報告書の記載内容が見直されています。また、事業報告書の財務の概要に記載される財務比率も変更がありましたので解説していきます。今週は入門編として事業報告書の大まかな概要を説明していきます。


Ⅰ.事業報告書を作成する目的
 平成16年の私立学校法の改正により、学校法人は事業報告書を含む収支計算書や監事監査報告書を作成し、学校法人の各事務所に備え置くことになりました。事業報告書の作成の目的は、財務書類だけでは専門家以外の者に容易に理解できない場合が多いと考えられることから、財務書類の背景となる学校法人の事業方針やその内容を分かりやすく説明し、理解を得るためであるとされています(16文科高第304号通知より)。
 計算書類等や事業報告書は、在学生をはじめとした学校法人の利害関係者に公開されるものですので、計算書類の一般の利用者がその記載内容を十分に理解できるように作成することが望ましいといえます。