2017/11/08

計算書類の注記 2


 前回は計算書類の末尾に記載する注記事項の概要と重要な会計方針について説明しました。第2回では、前回取り上げることができなかった重要な会計方針の記載の続きと重要な会計方針等の変更について説明していきます。

1.重要な会計方針の記載(前回の続き)

(6)預り金その他経過項目に係る収支の表示方法
  学校法人会計基準第5条では、計算書類に記載する金額は総額をもって表示するものとしていますが、預り金等の経過的な収入支出や(7)で説明する食堂等の教育活動に付随する活動に係る収入支出については、純額で表示できるものとしています。預り金等の経過項目に係る収入と支出を相殺して表示しており、相殺する金額に重要性があると考えらえるときはその旨を注記します。

 (7)食堂その他教育活動に付随する活動に係る収支の表示方法
  上記のとおり、食堂の教育活動に付随する活動に係る収入支出については純額で表示することが認められています。したがって、いわゆる補助活動に係る収支を相殺して表示しているときは、その旨を注記に記載します。
 また、補助活動に係る収支を純額で表示しているときは、「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」において、純額で表示した補助活動に係る収入、支出の項目、金額を記載することになります。純額表示にあたり相殺する収入支出の範囲としては、収入の項目として売上高、受取利息、雑収入、支出の項目として売上原価、人件費、経費(借入金利息含む)の項目が考えられますが、少なくとも売上高と売上原価は相殺するものとされています(「補助活動事業に関する会計処理及び表示並びに監査上の取扱いについて」(学校法人委員会実務指針第22号))。

 2.重要な会計方針の変更
 「学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)(平成17年5月13日 17高私参第1号)」では、重要な会計方針を変更した場合には、変更の旨、変更理由及び当該変更が計算書類に与える影響を記載することを規定しています。
  以下では、日本公認会計士協会が公表している「計算書類の注記事項の記載に関するQ&A(学校法人委員会研究報告第16号)」を基にして、重要な会計方針の変更の考え方を説明していきます。

(1)会計方針の変更
  会計方針の変更とは、従来採用していた一般に公正妥当と認められる会計方針から他の一般に公正妥当と認められる会計方針に変更することをいいます。
 会計方針は、正当な理由により変更する場合を除き、毎期継続して適用します。正当な理由による会計方針の変更に該当するものとしては、会計基準等の改正に伴い特定の会計処理方法が強制される場合や、正当な理由に基づき自発的に会計方針を変更する場合があります。
  自発的に会計方針を変更するときには、学校法人の事業内容や経営環境等の変化に対応して行われるものであること、変更後の会計方針が一般に公正妥当と認められる学校法人の会計基準に照らして妥当であること、会計方針の変更が会計事象等を計算書類により適正に反映するために行われるものであること、財務情報を不当に操作することを目的としていないことを検討し、正当な理由によるものか判断します。

(2)会計方針の変更に類似する事項
  会計方針の変更に類似しますが、会計方針の変更に該当しないものとして以下のものがあります。
・会計上の見積りの変更
・重要性が増したことに伴う本来の会計処理への変更
・新たな事実の発生に伴う新たな会計処理の採用

 (3)表示方法の変更
 表示方法の変更とは、従来採用していた一般に公正妥当と認められる表示方法から他の一般に公正妥当と認められる表示方法に変更することをいいます。
 表示方法も、会計基準や法令等の改正により表示方法の変更を行う場合や会計事象を計算書類により適切に反映するために表示方法を変更する場合を除いて、毎期継続して適用することが必要です。
 表示方法の変更には、貸借対照表の固定資産又は流動資産の区分や収支計算書の同一区分内での勘定科目の区分掲記、統合もしくは勘定科目名の変更等を行うものと、上記の区分を超えて表示方法を変更するものがあります。前者は単なる表示方法の変更とされていますが、後者の区分を超えた表示方法の変更は重要な表示方法の変更とされ、重要な会計方針の変更と同様に注記を行います。
 重要な表示方法を変更したときは、変更の旨、変更理由及び当該変更が計算書類に与える影響額を注記します。

 (4)会計上の見積りの変更
  上記(2)のとおり、会計上の見積りの変更は会計方針の変更には該当しません。しかし、会計上の見積りの変更が計算書類に重要な影響を与えるときは、重要な会計方針の変更に準じてその内容及び計算書類に与える影響額を注記するのが望ましいとされています。

                                  永和監査法人
                                  公認会計士   大島隆光




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